ドラマティック。

一一P Reamonn with THE iDOLM@STER The Only Ones

シンプルなダンスシンクロPVであるからこそ、その作品から感じ取れる何かと言うものはとても感覚的なものにならざるを得ない。明確な目を引くエフェクトとか、笑いや涙を生む演出であるとか、心に迫ってくるカメラカットであるとか、ここだ!と言うものがあるわけではない。作品そのものから手を差し伸べてきたり、力強く主張してくれたりはけしてしない。
それでもこのスローバラードに合わせて踊る真美に、郷愁のような穏やかで、それでいて微量の寂しさを感じてしまうのは、やはり曲が、真美の瞳だったり、指先だったり、揺れる衣装の襞だったりを介してそっと心に伝えてくれるからであって、それを僕はドラマティックと呼んだりするのだけれど。この曲から真美の存在を経て僕の心に繋がる細い糸は、実はとても儚く脆いものだと思うのだけれど、それでもそれがきちんと繋がったりする瞬間がここにある。もしかして一一Pが作りながら見ているそれと同じところに立てているのかも知れない。あるいは全く真逆の岸に立っているのかもしれない。それでも同じ湖の畔に立ってその湛える水を見て、音楽を感じている。そのちょっとした奇跡こそがきっと僕が呼ぶドラマティックと言う事なのだ。最終的にはね。