イベント じっくり語り語られてみよう。 -tloP-

tloP  アイドルマスター 伊織と千早と蒼い鳥

イベント 『じっくり語り語られてみよう』 に参加し,作品について語っています.作品へのネガティブな表記・ネタばれを含む場合がありますが,イベントの趣旨に乗った上での記述とご理解ください.他の方の語り記事一覧 → 『No.16: 伊織と千早と蒼い鳥


SS以前 飛んでいく鳥達へ。

8bitの硬質さ、荒々しさでなければ受け止められない緊迫感がそこにはある。

前半部。全ては己の存在のみ。己の力で飛び続ける蒼い鳥の決然とした意志を、姿を、その声で圧倒的に歌い上げ周囲を圧する千早が描かれる。
そこにあるのはただ飛び行くと言う透徹で頑なな意志。そしてその為にこそ何物をも厭わぬ決意。

その覚悟はあるのかと問われた時に確かに伊織にはそれがある。
蒼い鳥は自由と孤独の二つの翼で飛んでいく。その二つともを持って飛ぶその資格がある、それはまた伊織でしかありえないと千早は知っていたに違いない。表出するものは違えども、その胸の奥にある足りなさ、そしてそれを満たすものを求めながらしかし同時にそれに縛られることを良しとしない頑なさ。その二律背反性の共通を何処かで感じているからこそのこの歌、なのだと。

あなたもそうでしょう?それは伊織の確信の言葉でありながら、同時に千早の確信の想いでもある。

飛ぶ鳥は二羽となった。行く先も目的もけして交わらぬ孤高の鳥達、しかしその意志で飛んでいく、それだけは同じくする、その儚いからこそ硬く気高い想いと誇りを感じあう事。その一瞬の邂逅を祝福するかのように灯は照らし、そしてまた落ちていく。二羽の鳥は交錯し、また何処かへと力強く飛んでいくのだ。

私(達)は飛ぶの。どこまでも。

当てるとするならばそんな言葉だろうか。

SS以後 それは微笑ましいハッピーエンド。

で、SSである。
ああ、その譲れぬところと、誇りとがあり、そしてそれはそのままに妥協無く2人が歩み寄り、並び立ったその瞬間なのだった。
そしてそれは2人にとっての幸せな邂逅であり、より未来へと続いていく邂逅なのだ。

さて、それであれば最後の台詞はどうだろう。
それについては全く、頭にこびりついてしまったフレーズがあってこれ以外には思いつかなくなってしまったので失礼ではあるがリンクさせて貰う。

「まだまだね」「言うじゃない」
(From:ティンときた! −勝手にまとめるアイマスMAD−/全身全霊のデュオステージ)

意地っ張りの2人らしい、良い台詞であり、成る程このSSを締める幸せな結末だろう。