イベント じっくり語り語られてみよう。 -少年P-

イベント 『じっくり語り語られてみよう』に参加し,作品について語っています.作品へのネガティブな表記・ネタばれを含む場合がありますが,イベントの趣旨に乗った上での記述とご理解ください.他の方の語り記事一覧 → 『No.29: 「少年の夢」 【東京少年×真】


【語り視点の注文】
動画のラストの真を見ていただいたときに『夢はかなった』と思いますか?
それとも『かなわなかった』と思いますか?
どちらとでもとれるような動画になっていると思います。
そこで、見ていただいた方々にその部分について補完していただけるような視点で書いていただきたいです。

動画の作りについてもいろいろご指摘・ご意見いただけると幸いです。
ずいぶん前に作ったものになりますがよろしくお願いいたします。

以下、本文格納。


まず作品として。とてもストレートに歌詞と感情を伝えようと頑張っている力強さを持った作品だなと思いました。ただ動画としてはパワーが突出した裏で色使いのバタくささや画面的な煩さが目立ってしまって粗が多いなとも感じました。
以後、少年Pの作品での、伝えようと言う意志と映像とのバランス調整は『クリアレイン』を経て『BY THE MEREST CHANCE』で結実するわけですが、そう言う意味で半月のラグで発表された『少年の夢』と『クリアレイン』はまさにターニングポイントとなった2作品と言えるのでしょうか。
今や8月の『白い華』『青紫』の出来を見れば納得の実力派Pさんです。

さてそれではお題である、この作品における真の『夢はかなった』か?と言う部分です。端的に言うのであればまだ夢はまだ叶っていない。です。完了形ではなく、進行形ですね。
一番を目指すと言う夢に破れた真は、今までシンプルな目標であった『一番』の意味について1度考えたと思うのです。その中で見つけかけた、本当に目指すべき夢。しかしそれを素直に受け止める事が出来ない、最初の夢からの逃避・妥協への忌避、若さゆえの誇り高さから来る葛藤を2:16からの演出が抉ります。
そこから動けずに、さらにその葛藤から逃げて身を屈めるように一生を終える人もまた多いでしょう。しかし、真はその葛藤を打ち破って、胸を張り、矜持を持って新たなる夢への一歩を踏み出せたと信じたい。とんだ昔の出来事を思い出しながら、新しい夢へと駆け出す最初の一歩を踏み出したその後姿こそがラストシーンであるように自分には思えました。

そんな真の肩を叩いて、横で一緒に歩んで行けるプロデューサーになりたい。そんな気持ちになった作品でした。

次回作は爽快な作品を目指すとの事ですので楽しみにお待ちしたいと思います。