ちょっと語ってみた。 少年P 【アイドルマスター】ただ凛として

普通に感想を書いていたら長くなってしまったので独立した記事としてあげてみました。少年Pの新作についてです。
※追記 この作品の『借り物』が何を指すのかについては色々解釈があると思います。それについてご意見をお聞かせ願えるとありがたいです。

再デビューへと歩き出す春香と千早を描いたストーリーPV。活動中止から再デビューへの道と言う、今までありそうで余り無かった題材を一直線で描ききった作品。
はるちはと言うテーマをストレートに感じさせてくれる問答無用のパワーが見る方を圧倒する。
実はこの、こまけぇこたぁいいんだよ!と言う問答無用のパワーこそがストーリーPV系作品の要を握っているのではないか。どんなに手を尽くしたとしても音楽とダンスがメインとなるPVでそのストーリーを細かく語り伝える事は難しい。それを『なんとなく』アバウトで伝えてしまう圧倒的な画面構成力orパワーが初見では絶対的に必要なのだ。メイPやR(略)Pの諸作品は勿論そうだが、ストーリーを載せる上手さと言おうか、少年Pもこれが本当に板についてきたと思う。
作品構成的にも0:24-0:44までの演出は新鮮で、目色を変える次のタイポグラフィのシーンと共にぐっと視聴者を掴む強さがある。ここまで引き込めばあとは存分にストーリーを語れるわけだが、それでも間奏にコミカルな営業シーンを入れるなど目先を変える努力は怠らない。上手くなったなぁと本当に思う箇所だ。凄いね、少年P。

で、初見から次の数周で考える事になるストーリー部分、『借り物じゃない自分達だけの物語。』と言う投稿者コメントについても少し考察。
1週目の(多分)ソロ活動は結局2人にとって本懐では無かったと言う解釈か。『借り物』と言うのはお互いにとっての活動理由が自分の願い・理想だけでなく、相手(千早にとっての春香、春香にとっての千早)からの借り物だと言う思いがあったのだろう。だからこそ、再デビューでは相手から借りるのではなく、素直に2人で、自分達で同じ願いを求める物語を綴る為に動き出した。
自分の思いだけではない、借り物の願いで動いていると言う何か鬱屈した感情は、自分達のものとして取り込まれた事で純粋なものとして昇華した。借り物の願いは間違いではなかった。ただそれを2人で共有出来なかった事が間違いだったのだ。そして今、ここに2人は共に居る。そして綴られる物語こそが2人にとって真実だったと、そんなお話。