2011年上半期ニコマス20選。

さて、今回もやってきました、恒例の2011年上半期ニコマス20選。個人的には初参加が2008年下半期20選ですから、これで6回目の参加になります。選んだ作品のトータルは120になるわけで、先日記事にしたアイマスPVオールタイム100選より20作品も多くなるわけです。毎回毎回、悩んで悩んで選んだ動画が既にこの数積み重なる訳ですから、まあ感慨もひとしおと言うところですね。
2011年上半期はアイドルマスター2と言う大きなパラダイムシフトの中で、これまでの清算とこれからの創生、そのどちらにも行けぬ葛藤などを包括しての半期となりましたが、PV界隈に置いては、抜きツールが汎用化されてなお、2007年式の再来とも思えるシンプルなダンスPVがその主流となりました。
この限定的なニコマスPV動画の技術的ハードルの低下が今まで見る専だった多くのPをPVデビューへと導いたのでしょうか。今や一線で活躍するアリシャスPをはじめとする11年4月のPV系プロデューサーの大量デビューなどは記憶に新しいところです。技術的な問題とは別の起点として、この新しい潮流の核となったのはやはり、うしわかPの「アイドルマスター『Snow halation』μ's」でしょうか。言うまでも無くアイマス2黎明期のガチダンスPVの傑作として長く語り継がれるであろうこの動画こそが、かつての2007年前半期の名作達と同じく、次々とデビューする新人プロデューサー達の道標となったような気がします。そしてその新人プロデューサー達の熱意の結実があの神風Pの話題作だったとしても、これは必然的な流れであった事でしょう。
かくしてアイドルマスターへの想いは引き継がれ、名作は生まれ続け、それを追う人も続いて行きました。下半期、アニメアイドルマスターという更なるパラダイムシフトは、またどのような変化を界隈に齎してくれるでしょうか。
閑話休題
今回は、基本PV系からのみの20選となりました。その為、選外を幾つか選んでいます。記事には書きませんがマイリスト版では登録してありますのでそちらも合わせてご覧いただけると幸いです。それではどうぞ。

本記事は卓球P主催の2011年上半期ニコマス20選への参加記事となります。

基本レギュレーションはこちら
さらに個人的な選考基準として下記となります。
・ダンスPV系のアイマスMAD作品を中心とした選考とする。(その系統しか見ていない為)
・NovelM@ster、iM@S架空戦記シリーズ、は除外。(全くフォローしていないので選考不可の為)
・企画合作は除外。

※マイリスト版はマイリスト整理の為、過去のものと統合しました。

それでは本記事は格納します。(順列は公開日の古い作品順。敬称略。引用文は当時書いた記事(一部スクショなどをカットして抜粋)です。)

1.FRISKP アイドルマスター 「Crazy」


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110220/1298198952
アイマス動画の4年間はついにこの動画に行き着いた。アイマス動画を見て、感動して泣いた事や痺れて動けなかった事はまだあったけれど、画面から圧力を感じて気圧されたのは多分この動画が初めてかも知れない。これまでのアイマスモデルも、MMDも何もかもがDOPINGPANDAの奔流の如き楽曲と共に渾然となってここにある。今、2人のメインヒロインと羽を得た歌姫の声が、全てのアイドルズと、そしてこの動画を見ている全ての人の心に彗星となって着地する。その凄まじいまでの衝撃から、それでも芽生えるものが、きっとある筈だ。
For All IDOLs and IDOLM@STERs
今、その心に確かに声は届いた。

アイドルマスター2発売前夜に突然に訪れた、まさに幕末の黒船来航のような傑作でしたね。まさにニコマスの4年間の総決算、そして新たな時代を迎えるアイドルマスターに相応しい動画だったのではないかと思います。2010年下半期のアイマスPV界隈を席巻したFRISKP。奇しくも同日に公開された蜂矢氏の「真と右手」の有名な投稿コメント「まだまだアイマスで遊び足りないんです 」と言う思いを蜂矢氏は独特の作品で、そしてFRISKPはガチPVで、それぞれ体現してくれたのではないでしょうか。こんなドラマを生んでしまうのも、またニコマスですね。

2.農民プーP アイドルマスター2 春咲小紅


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110328/1301328942
うわああああかわええええ。春香さんかわええええええ!農民プーP最高。選曲とステージの雰囲気もばっちり。農民プーP、お得意の凶悪なアップカット。0:27-の「指折り数えていたかしら」とか0:55-の「自分で言うのもヘンだけど」0:57-の「今日は何だか綺麗です」のあたりの歌詞に沿った演出とか悶えますね。そしてサビの軽やかなダンス。ラストのバーストアピールはやっぱり春香さんアイマス2のメインアイドルやで。素晴らしい。

農民プーPは「タイムマシンにおねがい」と迷いましたがこちらにしました。上記の記事の時にも書きましたが改めて、アイドルマスター2発売直後の3月の段階に於いて、ニコマスPV界隈を牽引したのは農民プーPとtinoPであったと確信しています。特に農民プーPはセンシティブトゥーンの齎したアイドルズの美しさ、可愛らしさを思う存分に味あわせてくれました。個人的にはMVPを差し上げたいPさんです。それにしてもアイマス2の春香さんは可愛さが溢れてこぼれ落ちすぎだと思います。

3.うしわかP アイドルマスターSnow halation』μ's



http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110403/1301843929
とにかくこの動画をうしわかPが作ってくれたと言う事が本当に嬉しいなぁ。Twitterでも呟いたけれど、NewOrderを作った頃の、ただここに居るアイドル達を可愛らしくと言うシンプルだけれども力強い意思を感じる丁寧なダンスPV。アイマス2がうしわかPをこのダンスに戻してくれたと言う事、そしてアイマス2がこの個人的にアイマスMAD史に残るダンスPVを生み出してくれた事、それだけでもアイマス2に感謝したい。
それにしてもアイマス2の重要なリソースであるクインテットのダンスをここまで綺麗に作り上げてしまったのだから他のPもこれは脱帽、と言うか歯噛みをしているのではなかろうか。奥行きも横一列の絵的なシーンも美しく使いこなしているのは本当に頭が下がる。バーストの絵作り、ダンスの鮮烈さ。結局なんだかんだ言ってもこれまでのうしわかPの集大成なのだろうと思う。
そしてやっぱりうしわかさんは真だなと感じた2:43-2:47。この短いカットがNewOrderの真とやよいのあのシーンを生み出したうしわかPの力を彷彿とさせる。今回とても思い入れの深いカットだ。
オリジナルとの比較版も来ていて構成の中には結構元PVを参考にしている部分もあるみたいだけれど、まあその程度のものではこのPVの素晴らしさは測れないと思う。とにかく感動させていただいた。ありがとうございました。

序文にも書きましたが明らかにアイマス2以降の金字塔の一つとして語り継がれるPVです。その動画をうしわかPが作ってくれたと言うのも本当に嬉しいです。今や新時代を築いてしまったうしわかPの紹介記事を見る専祭りで書かせていただいたのも今では良い思い出。今後も高く高く飛び続けていただける事を祈ります。

4.ドドリアP 【アイドルマスターFUJISAN ROCK FES


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110409/1302316117
竜宮小町は尊敬してます・・・でも負けません!」
凄い!!
痺れるFESの緊張感を存分に演出しまくってますね。春香達の衣装もこの緊張感に相応しいシックさで良く似合ってます。そしてダンス。あくまで竜宮小町はスモーキースリルを使うことに拘りながら、寸分も曲に対して違和感を見せない2ユニットの完璧なダンスシンクロが既に快感の粋。間奏のコミュシーンからCパートへのカタルシスと言い、まさに完璧なアイマス2動画です。スタンディングオベイション。ブラボー!!

前期の20選では次点にせざるを得なかったドドリアPですが今回は自信を持って20選に選ぶ事が出来ました。良かった!この動画も農民プーPやうしわかPとは違うベクトルでアイドルマスター2を象徴するような動画になりました。ゲーム内のイベントであるフェスをPVとして演出しきった快作。ステージ上での対戦と言う純粋な熱さ、楽しさ。そしてゲーム内では噛ませ犬となってしまった竜宮小町へのリスペクトと言う意味でも大変に意義のある素晴らしい動画でした。
強度の高いドラマティックな作品を丁寧に綴ってくれるドドリアP。これからも応援したいですね。

5.ATP Watch Out Pt.2 (VS. 竜宮小町)


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110411/1302533836
ATP版FES!!
界隈の話題を攫ったドドリアPの「FUJISAN ROCK FES」から数日、今度はATPのFES動画だッ。しかもドドリアPの「FUJISAN ROCK FES」は竜宮小町に打ち勝つ話だけれど、このATPのFESは最後までどちらに判定が上がるか解らない。むしろ竜宮小町が挑戦者として挑むような形での実力伯仲、ギリギリの戦いの熱さなのだ。それは衣装選択からしても伺える。正統派衣装の春香、響、真美に対して竜宮小町はストリートホッパーの軽快な衣装で対抗。先輩としての意地をかなぐり捨てて挑戦していく姿勢が満々なのだな。
そしてFESもたけなわになるとアイマス2をプレイした人なら誰でも解る、あの バーストにバースト、思い出に思い出のぶつけ合いが始まる。この応酬が実に熱い!!思わずゲームの興奮を思い出したところに止めの見せ所。ベタベタの亜美真美バースト対決である。このお約束に血が滾らずに居られようか。地味にあずささんのアップでぶるんぶるんしよるのが2回も見られるのもお得。俺得。
威風堂々のドドリアFESに血沸き肉踊るATPFES。こりゃどっちもやめられない。

まあ凡そ上記の通りで、ドドリアPのFESを入れるならATPのFESも入れなきゃ。と言うペア的な感じで。ドドリアPのFESはドラマティックさとPVとしての格好良さがありますがATPのFESはバトルとしての面白さ、ギミックの楽しさが演出する熱さがありました。実に見応えのある見比べが出来る2作品です。
ATPは、本当はこのブログのトップに貼っておきたい傑作「Welcome to this nicom@s world!」もあったのですが、正統派のダンスPVとしてこちらを選ばせていただきました。

6.二酸化硫黄P アイドルがTVをやっつけちゃったんだよ


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110416/1302965126
ハイセンス紙人形劇+成る程全体的に同意な風刺的嘘字幕。画面作りも上手ければ音源の加工も上手い。トカチとアイマス2アイドルズの共演も暗喩的だ。こう作ろうと言う確たるコンセプトとそれに合わせたパッケージングが小気味良く成功していると言えるのではなかろうか。純粋に動画として上手い。

メッセージ性と言うか内容についてはあまり特筆する事はありませんが何しろ動画としてのインパクトが強かった。どうしてもこの動画があったよね、と思い出してしまうので選ばざるを得なかった。と言うのも何ですが選ばせていただきました。やっぱりこう言う動画はあって欲しい。

7.木っ端っP アイドルマスター2 如月千早 片膝の汚れ


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110417/1303049147
留める姿絵と往くダンス。やはりアイマス2はコミュシーンの力が半端ない。美しく、そしてストーリーを訴える美しい実写合成のコミュシーン。そして動きを見せる筈のダンスシーンでも緩急をつけ、往き足をつけながらも、その緩の部分で留めて魅せる。例えばそれは0:58-1:00であり、1:38-1:42であったりする。絵を作ると言う事以上に、シンクロに依拠しない力強い千早のダンスシーンは音Pのあのダンスを彷彿とさせた。また、必ず左右に空間を置く、カメラや画面構成も含めて、この徹底した静止画系の作りの動画であるのにも関わらず、それでも映像に疾走感があると言う所が実に木っ端っPらしい。
そしてやはりこれは忘れられないと言うのは千早と空だ。何時も木っ端っPの動画の感想を書くときに言及する「PROMISE」のあの空はアイマス2でも受け継がれている。空を望み、地で歌う千早。その躍動する前の、瞬間の、片膝の汚れ、なのだ。

立ち上がり奪う世界を!
実は選ぶかどうか最後まで悩んでいた動画です。ただ、やはり着実に、力強く進化していく木っ端っPの、そして木っ端っPの動画の強さには魅かれざるを得ません。
「PROMISE」「Dandelion」「片膝の汚れ」そして最近の「COLOR」と、このPの行く先が見たい。と思える稀有なPさんの1人だと思います。

8.八位P 【アイマス2】 なにかとおしゃれなアイドル番長

http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110423/1303562331
最高に楽しい動画きたぁぁぁぁぁぁ!!お洒落番長のコールに合わせたバーストの使い方、憧れパイナポのりっちゃんなど所々の歌詞に合わせたユニークな演出、かと思いきや部分部分のダンスパートの気持ち良いシンクロっぷり。3分間息をつかせぬテンポの良い構成は最高ですね!
やっぱり素晴らしい動画は最初の10秒から違う。おっと思わせての亜美バーストで撃沈。ガチかと思えば0:33-のギャップに大笑い。そして0:50-はジュピターのダンスの格好良い事。ぞくっと来るダンスシンクロでもう釘付けですね。

あずささんの衣装選択がお見事。キリッのコメントGJ!

いつまでたってもこどっも〜

指でテンポを取るあこがれパイナップル

2:15-は多分これまでのアイマス2素材MAD史上最高のりっちゃんダンスシーン。春香さんの必殺バーストの後に2:43のあまとうのバーストを対比させ、その直後に例の左から順の3人並びカットとかマジ痺れる。ラストのクインテットも最高でした。
見直せば見直す程に凄い動画です。上期20選当確で良いかもしれません。

今期の20選で一番最初から決まっていたのは、crazy、スノハレ、アマミスポッティングとこのおしゃれ番長でした。今期の楽しいPV枠ですね。一番リピート率が高かった動画だと思います。何処をとっても素晴らしいダンスシンクロ。賛否両論バトルドームに象徴されるフリーダムなネタ振り。やはりコメントで突っ込みやすい動画は貴重だと思いますね。思うさまに楽しませていただいた、とても印象に残る動画でした。忘れがたい一作になると思います。ちなみに一番好きなのはあずささんのぶるチラシーンです。

9.under79さん アイドルマスター 【tear】 Ver.2


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110423/1303562331
ネタバレ時期も過ぎてコミュシーンを使う動画が増えてきましたが、ここまで初っ端から殺す気マンマンの動画はありませんでした。最初の10秒で既に俺死亡のお知らせです。ダンスシーンも単純なシンクロではなく、公式曲MADらしくアップカットを効率的に利用して、歌い上げる系の演出を中心に置いて来ているのも実に効果的です。そして度肝を抜かれたのは2:00-のカット。バーストをバーストではなくダンスシーンのステージ演出として使うこの手法は如何にも独特で恐れ入りました。真のフリフリ衣装をスタイリッシュかつ可愛らしく魅せるライティングの妙と言い、久々にunder79さんの真士としての凄まじさを体感しました。素晴らしい動画でした。

お洒落番長と同日にアップされたこの作品。真士達の面目を大いに施した、まさに真士の為の一作と言えるでしょう。面白いのはアイマス2の真で描いているのに、芯のところでは真の本質を貫いているように感じるところですね。「初めて好きになったから」と歌う真の姿は真摯で美しい。本気の真を感じる事が出来る動画でした。

10.ぽP 【アイドルマスター】 アマミスポッティング 【MMD


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110504/1304511804
MMDm@sterにまた傑作が一つ。結局MMDは無理に踊らせずに、アイマスモデルで出来ないところを攻める、と言う事。特に学校生活のシーンや仕事でのシーンなどドラマ仕立てはやはりお得意ですね。学校生活シーンはいちかPのスキキライ、コミカルなモーションはオバンドーPのファンファン&シャウトを思い出させて、まさに最先端を行く完成度になっているかと思います。素晴らしい。
アイドル天海春香の密着イメージビデオ風PV。さてアイドルのIVと言えば勿論ちょいエロ。朝の着替えシーンから始まって、水着撮影で締める。うーん、王道の構成。そしてMMDのお尻を良く表現しています。MMDモデルのエロとは大体に置いて胸は飾りで本命は尻だと思います。あとふともも。
学園生活のシーンもただそれだけの描写ではなくこう言うシーンをしっかりカッティングしてくる。特に千早に向けた春香さんのドヤ顔にやられた方も多いのではないでしょうか。勿論、春香さん、と言うよりは中の人的なノリのコミカルシーンも楽しいですね。こうしたイメージシーンはこの動画の売りの一つなのですが、それだけではなく重要なキーはやはりアイマスPVらしくダンスです。ダンスシーンのカッティングの上手さがこの動画の特徴の一つかと。何度も言いますが、MMDはダンスで魅せるのは非常に難しいツールだと思ってます。既存のモーションが多いのですが、短めにカッティングしながら綺麗に並べて曲に合わせて行く。この組み合わせと言うか編集の妙味。春香さんを引き立てるアイドルズ。イイですね。
そして密着ドキュメントかメイキング映像を見ているような楽屋でのシーンからステージのカメラ映像への流れ。格好良さに痺れました。このシーンに限らず、そこここのキメのシーンでアイマス素材を使う事によって、よりアイマスPVとしてのらしさ、と言うかむしろこの動画、そして春香さんの核の部分を形成しています。やはりアイドルはステージでこそ輝くのですから。
そんなこんなで濃密な2:46を楽しませていただきました。

今期のMMD枠。今作が上がるまではオバンドーPのファンファン&シャウトが候補でした。そちらも勿論大好きなんですが、やはり総合力でこちらを選びました。イメージPV風の設定で画面を縦横無尽に暴れ動き回る春香さんはまさにMMDでしか出来ない演出。MMDでしか出来ない事をMMDでやってくれる事が本当にありがたい事ですね。この動画も何度もリピートして楽しませていただきました。このアマミスポッティングやアキノPの「Red Hot」など今期も素敵なMMDm@sterを見る事が出来ました。ありがとうございました。

11.tinoP 【やよい】 ζ*'ヮ')ζ<めもり〜ず

http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110510/1305041807
いやー参った。俺のやよいが可愛くないわけがない。と言う自信を感じさせる動画ですね。



開始10秒から萌え殺されるわ。なにこの可愛い生き物。

キュートで楽しいダンスパートはやよいの元気一杯の躍動感溢れるダンスに微笑ましくてニヤニヤしてしまいますし、サビのスローのたおやかさも凄い。中盤の抜き加工シーンも美しいですしね。

2:23-の「ぴょこぴょこ」の振り付けとズームアップのカメラの上手さとかもう!とにかくダンスシンクロが、と言うよりダンス選択。振り付け最高です!もう素晴らしいとしか言いようが無い。今期トップクラスのやよい動画でした!

農民プーPと並ぶ今期の牽引役と言って良いtinoP。コンスタントにクオリティの高い可愛らしいアイドルズの動画を上げ続けてくれました。個人的には、やよい誕生祭の「キミはメロディ」もとても良かったですが、やはりこちらのめもり〜ずを選びました。まあtinoPについてはあまり語る言葉は多くありません。とにかく可愛いやよいをもっともっと魅せていただきたいと思います。
ζ*'ヮ')ζ<やよかにもとってもたのしみですっ

12.versusP アイドルマスター2 春香さん達 vs pizzicato five 『Twiggy,Twiggy』


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110522/1306063426
まずversusPのこの動画を見て、久し振りにversusPの変遷、みたいな事を考えてみても良いかも知れないねー、などと思って過去記事とか過去作を見返して見て思ったことがあるんですけどね。何かこれまで勝手な思い込みでversusPの転換点とそのストーリーみたいなものが個人的にあって。
・COUNT 5,6,7,8.→分割画面とタイポグラフィ。初期versus印の代表作。
・電影国家→ポップでキュートでオサレなエフェクト系パッケージからの脱却。覚醒。
・a perfect world→エフェクト系からダンス系へのパラダイムシフト。近代versusPの確立。
・Under Pressure→圧倒的なダンス系としての実力の啓示。そしてVRFへ。
まーこんな変遷があるのかな、などと思ってたわけです。でもその一方で、以前記事に書いた事があるんですが、実はやはり芯のところで軸足はしっかりとしていて、変わっていなくて。結局借り物Pから自撮りPになってこの動画まで何一つぶれてないんだなぁと。まあ色々試行錯誤はあるんでしょうけれど、それでも一本道で来てるのかな。と改めて見直しました。何だよ見直したってw
で、新作ですが。何といっても最初の10秒の演出が大好きな『COUNT 5,6,7,8.(小西康陽 remix)』の演出を思い出させて俺大歓喜ですよ。もうこれだけでマイリストに何回か放り込みそうな勢いで画面に食いついたところで、いきなりくぐもったライヴ音源と、あのライティングエフェクトで野外の開放感とクラブ系の箱としての凝縮感を一緒くたにした所謂「学園祭の後夜祭」的高密度空間の大掛かりな演出。そしてステージの密度を補強する眼鏡の照り返しとオサレなタイポグラフィなど目を惹く細かな演出まで。全てに置いてversusPのオサレ系統とロック系統の融合を見ているようで。「ああ、versusPだ、これー・・・」と呟いてしまったのもむべなるかな。でしょう。
アイマス無印から2へのパラダイムシフトをものともせず(ものともしないように見せて)あらためて、一周して全きversusPとして出来た新作に、これからも芯のある八方破りな展開を、期待してしまうのであります。

とにかく雰囲気を楽しむ動画です。学園祭シークレットライヴPVみたいなノリの音源と映像の妙味には本当に見蕩れました。昔、R(略)Pの『教えてあげる』を見て、R(略)Pは一周したんだな。と言う事を書きましたが、それと同じくversusPも一周してここに辿り着いたと言う記念すべき動画になった気がします。今年も「VerRockFes」は開催されそうな雰囲気ですし、versusPのより一層のご活躍を期待するや切であります。

13.orgoneP THE iDOLM@STER SINGS ”MUSIC”


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110515/1305469584
アイドルが奏でるオンガク。アイドルが曲に合わせてダンスを踊ったり、歌を歌ったりするのがアイマスMADなのであればこれはアイマスMADではないよね。でもアイドルをもって何かを表現すると言う意味でのアイマスMADこそこの動画なのであって、orgonePで言うとFPMの『DANCE DANCE DANCE』なんかまさにそれ。アイドルはこの動画では楽器であり、もっと端的に言うと素材そのものなんですよね。でもそれこそがこの動画のテーマな訳で。「SINGS ”MUSIC”」とは良くタイトルをつけたものだなぁと。
瞳で奏でる、光で奏でる、動きで奏でる、存在そのもので奏でる。まさにオンガクを奏でるアイドル達。この無機質とも言えるアイドル達に幻想のような、たゆたう存在感を与えているのが衣装のグラデ。黒と白の色違い衣装の動画を2本重ねて境界線をぼかしてグラデにしてるらしいですが・・・。

それでもこのアイドル達は生きて、そこに居る。この笑顔がその証明だろ?
まあもうちょっと詳しい話は「続・空から降ってくるので」さんがやってるので、読まれると良いと思います。文字情報が要らないと言うのは同意ですねぇ。ただ要らないのはタイトルと動画で全て語りきれているから。メッセージを動画でそのまま伝えきると言うのは、美しいですよね。

序文でも書きましたがアイドルマスター2と言うパラダイムシフトに伴って2007年式への回帰に近い現象が起きた中で、わかむらP亡き後、このorgonePとRidgerPと言う巨頭が最前線に居てくれる事がニコマスにとってどれだけの福音なのかと言う事を噛み締める事が出来る動画ですね。特にこの動画の公開直後に行われた製作過程を解説した生放送は、見る専には解りませんが相当のインパクトを創り手に与えたのではないでしょうか。一作品としても衝撃的な傑作ですが、その存在意義まで含めて、今のニコマスPV系動画の柱石となる動画と言えるかと思います。

14.くたーP 美希 - スリー☆禁断のラヴ・プロデュース


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110521/1305990467
テーマが「セクシー&エロス!」なだけに美希の水着のセクシーさを存分に引き出してますね。アップカメラのパートとロングカメラのダンスパートをきっちり切り分ける事による全体的なメリハリの良さや、カットインのリピートなど構成の上手さと、後半のダンスパートの緩急の見事さなど素晴らしい作り込みが光りますね。

1:40-あたりの後ろ向きのダンスなど目先を変えるシーンにいちいちどきっとしますね。この見返りの視線にはやられます。モノトーンなのがまたやけに艶かしい。


色調の有効活用でエロいところをよりエロく。このHHBのずんずんダンスの今更ながらの破壊力。いやー見惚れました。

個人的にMiki.bmpさんの「熱帯夜」との激しいエロセクシー大戦に打ち勝ったセクシー美希動画です。美希のビューティミズギの魅力を極限までに表現した素敵な動画だと思います。あと、当時は書いてませんが意訳歌詞も実に良い味を出していたと思いますね。いやーやっぱりエロセクシーって大事な事ですよね。よし、四人一緒にフロアで大富豪でもやるか、美希!

15.黒怒虎P アイドルマスター 触れる肌に怒りを


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110526/1306423891


如月千早と言う「女の子」の日常。如何にアイドル如月千早の姿をカットインしたとしても、それが故にここに描かれる千早の姿はただの如月千早と言う「女の子」に見える。折に触れて出てくる携帯電話シーンの相手はプロデューサーかも知れないけれど、全く別の男の子だったり、友達だったり、家族だったりしても良い筈なのだ。
この動画にアイドル如月千早との隔絶を見るか、アイドル如月千早の延長を見るかは人それぞれだろうけれど、その捉え方の違いは中々に面白そうだ。実に黒怒虎Pの作成意図をお聞きしてみたい。何にしろ、この胸を衝く切ない叙情性は、前作に次いで堂々とした20選候補である事に変わり無いようだ。

実に印象に残る感傷的な動画です。前作の「時間と時間を」が現実との乖離を想像させたのに対して、今作は「アイドル如月千早」との乖離を魅せてくれます。その乖離は、孤高な歌姫とプロデューサーとの関係と如月千早とプロデューサーとの関係との乖離であり、乖離させていたいと言う願望でもあります。触れる肌に怒りを。触れられたくない、でも触れられたい。そんな二律背反な思いを1人街中を彷徨い続けていたい千早とそれを画面の外で追うプロデューサーに投影しているの、かも、知れません。そこまで考えずとも、その千早の姿に、心を奪われる、それだけの動画でもあります。

16.ロジックP アイドルマスター2 雪歩 寝・逃・げでリセット!


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110603/1307117540
いや、今こそよくこの曲で作っていただいた!と言うか。言うまでもなくわかむらPの1回コケた後の中興動画と言うか、多分わかむらさんの動画で個人的に一番好きな動画のあの曲に挑戦ですね。出だしから出来を予感させてくれるような素敵なタイトルクレジット。大抵ここでセンスの良い動画にはずれはありません。そして初っ端から予感を確信に変えてくれるガチの気持ちよいダンスシンクロに酔い知れていたところで、ここで簀巻きが来ました。

絶妙のタイミングでネタ。美味しいです。それにしてもダンス選択とダンスシンクロが絶妙です。中盤から終盤は神がかってます。ゆきぽはかわいいなぁ。

別にわかむらPを意識する事も無いほどの完成度の動画なのに、しっかりリスペクト要素を持ってくるのが律儀と言うか狡猾と言うかwでもやっぱりこの演出は良いですね。わかむらさんの動画で一番好きだった理由がわかります。

バースト入りのダンスで繋いでシンクロと言うのもありそうでなかった新発想。まさにわかむらさんのアレに挑むのに相応しい出来。結果、見事に新しい寝逃げでリセットPVを作り上げる事に成功した!と言う感じです。素晴らしい。万感の想いを込めてGJ!

つまり、ゆきぽはかわいいなぁ。だけではなく。まあorgonePのところでも書きましたが今は亡きわかむらPの2007年の記憶をしっかり上書きしてくれる、ロジックPのアイマス2での新たな寝逃げに乾杯。と言う事ですね。これもまた2007年への回帰と新たな時代の到来を二つながらに実感させてくれるメルクマール的な動画だったと言えるでしょうか。

17.よりみちP アイドルマスター 「a perfect world (pizzicato five)」 春香


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110605/1307278503



パーフェクト春香さんタグ秀逸。パーフェクトな朝は春香さんの笑顔から。ダンスはとてもシンプルで物足りなささえ感じる程ですが、効果的なタイポグラフィとなにより春香さんの笑顔があれば他に何も要らないね!と言う強度に満ち溢れています。純粋春香さん令発動動画。

よりみちPは「idol fancy」と迷いましたがこちらになりました。大好きなpizzicato fiveの曲。そして名作「Super Scooter Happy」を思わせるシンプルなのに嵌り度の高いダンスシンクロ。そしてキュートな歌とダンスを演出するセンスの良い歌詞タイポ。お洒落なダンスPVが大好物な自分にとって申し分の無いパーフェクトな春香さん動画でした。ILHのダンスでここまでバランスを崩さないと言うのも地味に凄い点だと思います。

18.神風P アイドルマスター2 「schwarzweiß 〜霧の向こうに繋がる世界〜」


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110608/1307542869
さて、各所で絶賛のこの動画。確かにイイんですよ。シックでストイックな曲に、徹底的にステージダンスのみで重ねてくる構成。如何にも2007年式のガチダンスMADの系譜です。もう少し突っ込んじゃうと、多分RidgerP信者が、実はRidgerPに対してずっと待ち焦がれつつも諦めかけていた2007年のRidgerPのガチダンスMADをアイマス2素材でまさかの実現をしてくれたのがこの動画なんですね。当時RidgerPの動画に僕はコメントでこう書きました。「これぞガチMADと言うモノだ」と。その思いを今、蘇らせてくれるのがこの動画なんです。カメラ、ダンスの繋ぎ、衣装チェンジ、そして妙に走っているように見えてきっちり合わせてあるダンスシンクロ。音に嵌めるのでも音に乗せるのでもなく音に渦巻くようなこの感じ。何もかも皆、懐かしい。そして繰り返しますが、多分自分だけでなく多くの人が殆ど諦めかけていた、本格的ガチダンスMADと言うモノを実際に今、見せてくれたんですね。逆に言えばこの動画をそれでは今のご新規さんと言うか、散々ワイワイやっている「外の人」なる、誰だか良く解らん謎の人に見せてさてイイと言うのかと言う話です。イイと言えと言うのかと言う話なんですよ。イイと言って欲しいのかと言う話なんです。多分イイと言う人なら抱き合って握手したいくらいですが、イイと言わない人にどうこうして欲しいと僕は思いません。そう言う話なんです。そう言う話がしたくなるくらい、何かもう懐かしくて、新しい動画ですね。

なんか出てきちゃったーと言う感じの新人さん。この動画については正直未だ良く解らないと言うか消化不良な部分が多いです。とにかく色々見ているとRidgerPの「LovePower」とかああ言う古い動画のダンスシンクロを思い出すんですよ。何かと言うと気持ち良いのに格好良くは無いダンスと言うか、端的に言えば垢抜けないダンスなのに、胸を突くダンスなんですよね。演出とか技術とか結構入れてるんですけど最終的に格好良くはない。だけど重みとか一生懸命な故のくすりと言う一笑を誘う何かがある。ここがとてもRidgerPっぽいと思うんですけど。わっかるかなぁ。わかんねぇだろうなぁ。まあ何とも不思議な新人さんです。それにしても良くこの動画ここまで伸びたよね。それも未だに不思議です。

19.RidgerP アイドルマスター2 目覚め -彼女たちの流儀-


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110613/1307978620


図らずもマイリストの時は「映画」と書きましたが、どちらかと言うと舞台劇ですよね、やっぱり。語る美希と語られる千早真が時に錯綜し虚実絡みながらも、やはり圧倒的に歌い語る美希の姿にただ圧倒させられる動画です。語り手を美希にしたのはやはり洋楽と言う事があるのでしょうが、ここまで堂々とした貫禄のある歌いっぷりはやはり凄まじい。15歳のディーヴァとしての風格をここまで纏わせる事の出来るこのRidgerPと言う人のガチさと言うか。ここまで演出を入れても崩れないブレない重みと荘厳さ。結局このカタルシスで生まれ、ダブルキャストから色を濃くしだした「威風」こそが「王」と言うこっぱずかしい称号を当然のものと受け入れてしまう原因なんだなぁと思います。
かつてはこの「威風」に対して「軽薄」の衣を纏う頂点が居て、バランスを取っていたのですが、今や孤高、と言うか唯一無二のイコンになってしまったと言う感じさえ受けるRidgerPの動画が果たしてどうなっていくのか、まだその先は見えません。

はい、そしてRidgerPですね。最早「王」の称号を冠するに全く違和感の無いこの方ですが、スクショを見ても解るように、「威風堂々」なようで居て、何処かに茶目っ気と言うか垢抜けない朴訥としたセンスを持っている、このPが僕は無性に愛しくてしょうがないのです。色々書きたい事はありますけど一つ書くとするならば。この動画、やっぱダンスがイイですよね。(ぇ)

20.zsP アイドルマスター2 「Batdance」


http://d.hatena.ne.jp/karasu_01/20110614/1308063652

30秒までのテンションがマッハで上がるこの懐かしき名曲と名演出。0:30-の入りのダンス選択の嵌り方は真面目に神がかった素晴らしさ。ダンスもアップカットも極上の名作。GJ!

個人的にはzsPと言うと「ひこにゃん」の人です。あのダンスシンクロを実現した人がこの動画を作った事に素直に成る程と思います。それはともかく。一言でこの動画の魅力を書くならば「ζ*'ヮ')ζ<のーきょーぎゅーにぅー」でしょうか。すいません。ラストで疲れてきているんです。ぶっちゃけ。
でもこの動画もリピート率がかなり高かった動画です。いやとんねるずのパロディPV大好きだったんですよ。それでこの名作っぷりじゃないですか。20選に入れないわけがない。ダンスの切れ味と言い、雰囲気と言い、ニコマスを知らない人に今回の20選で何を薦めるかと言われれば、多分自分はこれをお奨めしますね。実にキレた出来でした。

サムネ1選。


ずるいわー。

以上、2011年上半期20選をお届けしました。下半期も素敵な動画に出会えますように。あとアニメアイドルマスターがヒットしますように。